こんにちは。
バリ島在住のアイーです。
まだまだコロナウイルス渦中のバリ島ですが、4月24日からイスラム教の大イベントであるラマダンが始まりました。
バリ島出身のバリ人のほとんどはヒンドゥー教徒ですが、ジャワ島出身のインドネシア人もたくさんいるのでイスラム教徒も少なくありません。
バリ島でヒジャブを被った女性を見たことがある人もいるのではないでしょうか。
私は、バリ島在住のインドネシア人でイスラム教徒の夫と結婚して昨年イスラム教徒に改宗しました。
昨年は妊娠中で日本にいたのでラマダン不参加でしたが、今年初めてイスラム教徒としてラマダンを体験しました。
2020年バリ島ラマダンの様子を動画にまとめました!
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今回は、
コロナウイルス渦中のバリ島のラマダン(2020)期間・意味・モスクでの集団礼拝禁止・断食(プアサ)明けの食事などについてお話しします。
Contents
ラマダンの意味
そもそもラマダンとは何なのか。
私もイスラム教徒になるまでは、「ラマダン=断食」というイメージしかありませんでした。
ラマダンとはイスラム暦の9月を意味します。
この月にコーランが預言者ムハンマドに啓示されたため、イスラム教徒にとって神聖な月です。
この聖なる月にイスラム教徒は信仰心をより清めるため、ありとあらゆる欲望を捨てて絶対の神アッラーへ祈りを捧げます。
いわゆる修行です。
その修行の一つとして断食があるのですが、他にもいろいろルールはあります。
ラマダン期間中のルール
飲食禁止
飲食禁止といっても1カ月間ずっと飲食できないのではなく、夜明けから日没まで限定で断食(プアサ)します。
プアサ(断食)の時間は
朝の5時頃から夕方の6時頃
までです。
歯みがきもうっかり水を飲んでしまう可能性があることので注意しなければなりません。
感情のコントロール
喜怒哀楽、全ての感情をコントロールしなければなりません。
特に怒ったり、人の悪口を言ったりする行為は最大の罪とされています。
また、すべての欲を捨てなければならないので喫煙、性行為も禁止されています。
耳かきもだめだと言われました。
「かゆいからかきたい」という欲求すらコントロールすることを求められます。
1日5回の礼拝
信仰心の強いイスラム教徒は日ごろから、1日5回の礼拝を行っています。
ラマダン期間中は普段礼拝をしない人も1日5回お祈りをします。
朝5時に始まり、12時頃、15時頃、18時頃、最後は19時頃です。
ラマダンに参加できない人
生理中の女性は不潔とされるためお祈りできません。
なのでラマダンにも参加できません。
ラマダンに参加できなかった数日間はあとで個人で断食を行います。
ラマダン免除となる人
妊娠中の女性、授乳中の女性、病気の人、旅行中の人はラマダン免除となります。
なぜ、旅行者が?と思いましたが、昔の旅行は命がけだったのでイスラム教の聖書であるコーランにも「旅行中の断食は良くない」と書かれているようです。
「子供はいつ断食を始めるか」ですが親によるみたいです
10歳前後からが多いようで、私の夫も10歳のころから始めたと言っていました。
最初は半日断食をして12時の礼拝の後に飲食します。
2020年のラマダンの期間・スケジュール・変更点
先ほどラマダンはイスラム暦の9月を意味するとお伝えしました。
イスラム暦は月の満ち欠けをもとにした暦なので、ラマダンの日程は毎年少しずつずれます。
2020年のラマダンの期間は、
4月23日から5月23日
まででした。
一日のスケジュール、断食開始・終了の時間・礼拝の時間は、メッカを基準に設定されているため場所によって異なります。
バリ島のラマダン期間中の1日のスケジュールを説明します。
- 5時頃 断食開始 1回目の礼拝
- 12時15分頃 2回目の礼拝
- 15時45分頃 3回目の礼拝
- 18時10分頃 断食終了 4回目の礼拝
- 19時15分頃 5回目の礼拝
また、通常断食明けの大祭「レバラン」は一週間程度の大型連休となりますが、今年はコロナウイルス感染拡大の影響で日程が変更になりました。
インドネシアのジョコ大統領は連休中の人々の大移動でコロナウイルス感染が拡大しないよう、その対策として連休日数を短縮したので2020年レバラン休暇は5連休です
断食(プアサ)前・明けの食事は何を食べるの
1日の断食(プアサ)前と断食明けで何を食べるのか。
断食前の食事の事を
サウル
断食明けの食事の事を
ブカプアサ
と言います。
断食前は朝の5時までに普通の食事をとります。
私の家では、ラマダンが始まってすぐの頃はサウル用にも食事を作っていたのですが、さすがに1カ月続けるるのは大変なので夕食の残りを食べるようになりました。
私自身は、早朝からあまり食べられないので、パンなどの軽食をとります。
バリ島は常夏の国で断食中には熱中症になりがちなので、断食前にたくさん水を飲んで日中の断食に備えます。
そして、断食明けの食事(ブカプアサ)は、断食明けの合図であるアザーン(お祈りの時間をお知らせする合図)が流れてから最初に水を飲み、甘いお菓子などの軽食を食べます。
その後に夕食です。
人によっては次の断食開始まで、夜通し食事をする人もいるみたいですよ。
コロナウイルスの影響でモスクでの集団礼拝は禁止
バリ島には約300人のコロナウイルス感染者がいて、日に日に感染者が拡大している状況です。
そのため、2020年5月現在バリ島のモスクはすべて閉館しています。
本来ラマダン期間中や、約1カ月のラマダン明けのレバランはモスクで礼拝しなければなりませんが、今年はモスクでの集団礼拝もできません。
みんなしかたなくstayhomeで自宅でお祈りしています。
コロナウイルス感染拡大に歯止めをかけるため集団礼拝を控えたいところですが、断食明けになったら熱心なイスラム教徒が本当におとなしくstayhomeするのか心配です。
個人的な意見では、モスクでの礼拝はいつでもできるし、レバランも毎年あるのでコロナウイルス感染拡大している今はモスクへの集団礼拝も我慢せざるを得ないと思います。
人命の方が何百倍も大切だと思うのですが、熱心なイスラム教徒にとっては命と同じぐらいラマダンは大切なものなんでしょう。
コロナウイルスの影響で2020年ラマダンはどう変わった?
2020年のラマダンは例年のラマダンとどう違うのか。
正直、私は今年初めて参加するラマダンなので違いが分かりません。
なので、私の夫に今年のラマダンといつものラマダンの違いを聞いてみました。
私の夫によると、2020年のラマダンはとにかく静かだと。
まず、バリ島に人が少ないと言っていました。
というのも、バリ島内にはジャワ島などバリ島以外の島からの移住者が多く、その移住者の多くはイスラム教徒です。
今、インドネシアではコロナウイルス感染拡大のため、島間の移動が制限されています。
なので、断食明けに地元に帰れない人達が、断食が始まる前に早くも地元に帰ってしまったそうです。
また、バリ島で職を失った人も地元に帰ってしまっているので、例年より人が少ないみたいです。
そして、ラマダン明けのレバランでは、家族や親戚と食事を共にして楽しい時間を過ごすそうですが、今年は住民以外の立ち入りが禁止されている地域もあって家族や親戚の家を訪れるのも難しいです。
私の夫の家族の家も立ち入り禁止地域となってるので、
「今年はどこにも行けず自宅でひっそりとレバランを過ごすことになる」
と夫は嘆いていました。
まとめ
以上、ラマダンの基礎知識、2020年コロナウイルス渦中のバリ島のラマダンの様子についてご説明しましたがいかがでしたか?
多くの日本人にとってあまり馴染みのないイスラム教。
ラマダンについて少し理解していただけたでしょうか。
まだまだイスラム教徒初心者の私ですが、今年ラマダンに参加してみてラマダンについてよりリアルに体感できました。
まだまだコロナウイルスの影響でバリ島もビーチは閉鎖され人もまばらですが、早く収束して活気あふれるバリ島に戻ることを願っています。
※2020年バリ島ラマダンの様子を動画にしました!
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