Selamat siang!(こんにちは)

インドネシア在住15年目の元新聞記者クーチンです。

もし、あなたが

「これからインドネシアに移住したい」

「インドネシアで海外就職したい」

と考えているならKITASと呼ばれる居住許可が必要です。

ビジネスマン、留学生、インドネシア人の配偶者…..どんな立場にしろ、外国人はKITASがなければインドネシアに居住することはできません。(居住は旅行や出張などの滞在とはちがいます)

KITASの取得は条件が厳しく手続きも複雑ですが、きちんと決められた条件を満たしルールに沿って申請すれば問題なく取得できるでしょう。

私も今から15年前、書類を何度も突き返されやっとKITASを取得できた時は、当時まだカード型だったKITASを眺めてニヤニヤしたのを覚えています。

というわけで今回は、

KITAS(キタス)の申請費用と取得・更新・返却方法、そしてインドネシアの就労ビザ(312)とビジネスビザ(212)のちがいについて見ていきましょう!

Contents

KITAS(キタス)とは

KITASとは暫定居住許可証、つまり

「インドネシアに一定期間住んでもいいよ」

という許可のことです。

KITASとは、

  • 就労ビザ
  • 留学生ビザ
  • 配偶者ビザ

などインドネシアに長期間滞在できるビザを取得した外国人に与えられる居住許可証です。

KITASの有効期間は最短で6ヶ月、最長で、KITASの有効期間はビザの有効期間に応じて決まります。

KITASを取得すれば、銀行口座を開設したり、運転免許証を取得したりできます。

つまり、インドネシア国籍者とほぼ同等の権利が認められるというわけです。

ここで勘違いしている人も多いのですが、KITASはあくまで居住許可であり、ビザや就労の許可ではありません。

就労ビザに基づいてKITASを取った人は、もちろん就労できますが、留学生ビザや配偶者ビザでKITASを取った人は、就労することはできません。

先ほどKITASは取得するのが難しいと書きましたが、正確に言うと就労ビザを取るのが難しいんです。

なので、ビザさえ取得してしまえば、KITASは申請書類に不備がない限り、審査なく発給されます。

まとめると、

  • インドネシアにどのくらいの期間住むことができるか
  • インドネシアでどんな活動ができるか

はビザの種類によって決まります。

KITASはビザに基づいて発給され、インドネシアに居住する資格があることを証明する書類というわけです。

インドネシアの就労ビザ(312)とビジネスビザ(212)のちがい

就労ビザ(312)は、インドネシアで就労できる唯一のビザです。

インドネシアで働いて賃金を得るには就労ビザを取るしかありません。

就労ビザはインドネシアに居住して働くためのビザなので、KITASが発給されます。

一方、ビジネスビザ(212)はマルチプルビザとも呼ばれ、発給日から1年以内なら何度でもインドネシアに入国できるビザです。

1回の入国で最長60日間滞在ができます。

商談や会議への出席、セミナーや展示会への参加など就労を伴わない出張で使えますが、マルチプルビザでは工場訪問はできません。

なので、ビジネスビザ(212)ではKITASは取得できません。

KITAS(キタス)の申請費用

KITASの申請費用は、イミグレによって違います。

一例を上げると西ジャワ州ボゴールのイミグレでは、、

  • 6ヶ月 65万ルピア
  • 1年 100万ルピア
  • 2年 160万ルピア

バンドンでは、

  • 6ヶ月 100万ルピア
  • 1年 150万ルピア
  • 2年 200万ルピア

と金額にかなり差があります。

そもそも費用を明らかにしていないイミグレがほとんどで、エージェントも申請するイミグレで料金がちがいます。

なんだかすっきりしませんが、これも「インドネシアあるある」なんです。

KITAS(キタス)の取得方法と一連の流れ

一口にKITASといっても、就労ビザ、配偶者ビザ、留学生ビザに基づくものかで取得手続きがちがいます。

ここでは、就労ビザに基づくKITAS取得の手続きを見ていきましょう。

1.外国人雇用計画書(RPTKA)

インドネシアで事業を行う会社が外国人を雇用する場合、外国人雇用計画書を労働省に提出しなければなりません。

申請は雇用主が労働省の外国人雇用ウェブサイト(https://tka-online.kemnaker.go.id/)を通じて行います。

申請フォームには雇用主の名前・所在地、被雇用者の役職・賃金・就労期間など基本的な情報を記入します。

また、外国人労働者から知識移転を受けるインドネシア人労働者、インドネシア人の教育・訓練計画なども入力しなければなりません。

つまり、インドネシアの外国人雇用はローカルの雇用創出や人材開発に貢献するものでなければなりません。

会社の設立証書や事業認可書、納税者基本番号(NPWP)、会社組織図も添付してアップロードします。

特に外国人労働者の学歴、年齢、職務経験が厳しく審査されます。

ここまでで問題なければ外国人雇用計画書の承認書が発行され、KITAS取得の大きな関門はクリアしたことになります。

なお、外国人雇用計画書は雇用する外国人が会社の取締役か監査役(コミサリス)の場合はいりません。

2.雇用通知

雇用主は雇用通知書を取得しなければなりません。

雇用通知書は2018年の規定改定で定められましたが、以前のIMTAとほぼ同じです。

申請には氏名や性別、生年月日、出生地、国籍、パスポート番号、学歴、電話番号など外国人労働者の詳細な情報を入力します。

証明写真や学歴・職歴の証明書、保険加入書、雇用契約書などもアップロードします。

後日、ビザを受け取る大使館・領事館も指定します。

ここまでで不備がなければ、雇用通知書が発行されます。

こちらも、雇用する外国人が会社の取締役か監査役であれば必要ありません。

3.外国人労働者雇用補償金(DKP-TKA)

インドネシアでは外国人を1人雇用するごとに、

月100ドルの外国人労働者雇用補償金

を支払わなければなりません。

インドネシア人労働者の能力開発のためという名目ですが、何に使われているのかよく分かりません。

雇用通知書の発行後、雇用主が就労期間分をまとめて指定銀行口座に振り込みます。

1年なら1,200ドル、2年なら2,400ドルです。

これも取締役か監査役の場合は不要です。

4.就労ビザ

手続きがここまで終わればイミグレに通知を行います。

その後、イミグレが外国人労働者を審査して問題なければ

査証発給許可証(VTT)

が発行されます。

ここまでくればKITASを手にしたも同然です。

60日以内に、雇用通知書で指定した大使館・領事館で就労ビザを受け取りましょう。

5.暫定居住許可(KITAS)

就労ビザを取得したら、あとはインドネシアに行くだけです。

2019年現在、KITASは空港で発給されます。

入国審査場で写真撮影と指紋登録を行い、パスポートに「STAY PERMIT & RE-ENTRY」と書かれたシールを貼付してもらいます。

このシールがKITASの原本です。

2018年以前までKITAS取得手続きは、入国後にイミグレに出頭して行われていましたが、今は空港で手続きが終わるので便利です。

ただし、深夜到着便だと審査官がめんどくさがってKITASを発給してくれず、入国後にイミグレで手続きをすることになることもあるので注意が必要です。

日の高いうちに到着する便が安心ですね。

後日、メールでPDF形式の電子KITAS(ITAS ELEKTRONIK)が送られるので、プリントアウトしていつも携帯しておきましょう。

KITASの更新方法

KITASの更新手続きは、基本的には取得手続きと同じです。

労働省でRPTKAの承認書を得て、雇用通知書を取得します。

そして外国人労働者雇用補償金を支払い、イミグレの審査で問題がなければ、KITASの更新が認められます。

外国人労働者はイミグレに出頭し、前回と同じように写真撮影や指紋登録を行います。

私も毎年この更新を続けていますが、現在はイミグレに銀行のような番号札を発行する機械が導入され、指先にインクをつけて行っていた指紋登録も電子化されました。

その反面、機械の故障などで業務がストップすることもあり、通常より時間がかかることもあります。

私も片道一時間以上かけてイミグレに出頭したはいいけど、

「システムがオフラインだ」

と言われて、何もできずに帰ったことがあります。

(2日後ぐらいに再出頭しました…)

インドネシアでは何事もそうですが、時間的余裕を十分もって行動した方がいいでしょう。

KITASの返却方法

インドネシアでの業務が終わり帰国することになればKITASは返却しなければなりません。

返却手続きは、KITASが貼られたパスポートの原本・コピー、外国人労働者雇用補償金の領収書などをイミグレに提出して行います。

手続きが済むとパスポートに

「Return of Immigration Document」

というスタンプが押されます。

このスタンプの日付から7日以内にインドネシアを出国しなければなりません。

なお、本来は出国前にインドネシア国内で行わなければなりませんが、東京のインドネシア大使館など国外の公館でも可能です。

返却しないと、次にビザを申請するとき手続きできなくなる可能性があるので注意してくださいね。

KITASとKITAPのちがい

KITAPは期限付き居住許可で、有効期間は5年間です。

KITASの有効期間の最長で2年に対し、KITAPの有効期間は倍以上も長く更新回数を減らせます。

KITAPを申請できるのは、KITASでインドネシアに5年以上連続して居住している外国人です。

なので、日本企業の駐在員などいずれ日本に帰国しなければならない人はKITASで十分です。

一方、インドネシア人と結婚する、インドネシアで会社を設立するなどして骨を埋める覚悟の人はKITAPを取得したほうが良いでしょうね。

まとめ

いかがでしたか。

今回は、

KITAS(キタス)の申請費用と取得・更新・返却方法、そしてインドネシアの就労ビザ(312)とビジネスビザ(212)のちがいについて見ていきました。

KITASの取得・更新・返却方法の流れはだいたい理解できたのではないでしょうか。

KITASの取得手続きは複雑で制度変更も多く、不正だらけの」イミグレとのやり取りもあるのでエージェントを使う場合がほとんどだと思います。

それでも、KITAS取得の大まかな流れを把握することで、エージェントの不正を防ぐこともできるでしょう。

これからKITASを取得する人も、既にKITASを持っている人も最低限の入国ビザとKITASの知識は身につけておきましょう。

 

Sampai jumpa lagi (ではまた)