Selamat siang(こんにちは)

ジャカルタ在住15年目のクーチンです。

以前は現地新聞社で記者をしていました。

インドネシアで旅行・留学・海外就職を検討するときまず気になるのは「ビザ」がとれるかどうかですよね。

就労ビザがなければインドネシアで仕事をすることはできないし、海外移住もできません。

海外移住の前提となるビザですが、いろいろな種類があって正直わかりにくいです。

今回は、

インドネシアのビザの種類と申請方法、そして観光ビザと就労ビザのちがいをインドネシア在住15年目のクーチンが解説します。

インドネシアのビザの種類

インドネシアのビザは、大きく分けると

  1. ビザ免除
  2. 到着ビザ(ビザ・オン・オンアライバル)
  3. シングルビザ
  4. マルチプルビザ
  5. 一時滞在ビザ

の5種類があります。

一口でビザといってもそれぞれのビザでできることや条件はまったく違います。

これらビザの定義について一つずつ見ていきましょう。

ビザ免除

日本人がインドネシアを観光目的で訪れる場合、30日以内の滞在であればビザは免除されます。

ビザ免除になる条件は、

  • インドネシアに入国する時点でパスポートの有効期間の残りが6ヶ月以上ある
  • 出国用のチケットを持っている
  • 入国地点が主要な空港・港に限られる(ジャカルタのスカルノハッタ国際空港、バリのングラライ国際空港は当然、ビザ免除の対象空港です)

ですが、多くの旅行者がクリアできる簡単な条件です。

なので、一か月以内の観光なら、パスポートと往復航空券を持ってインドネシア行きの飛行機に乗るだけです。

到着ビザ(ビザ・オン・アライバル)

30日を超える観光での滞在や商用でインドネシアに行くときは、到着ビザが必要です。

到着ビザが適用される活動は、

  • 観光
  • 親族訪問
  • 会社訪問
  • 芸術・文化
  • 政府用務
  • 商業目的でないスポーツ
  • 視察・短期講座・短期トレーニング、
  • 商談・ミーティング
  • 商品の購入
  • 講演
  • セミナー参加
  • 国際展示会参加
  • インドネシア本社または駐在事務所での会議
  • トランジット

が含まれます。

到着ビザ(アライバルビザ)は短期間の出張で使われることが多いです。

注意すべきことは到着ビザで工場訪問はできません。

もし到着ビザで工場での立ち入り検査などやっていてインドネシアの入管に踏み込まれたらアウトなので気を付けてくださいね。

到着ビザでの滞在可能期間は30日で、1回に限り30日延長ができます。

到着ビザは、その名の通り空港に着いてから空港内で取得できます。

飛行機からおりたら、空港内の一般の入国審査の列に並ばないで

ビザ・オン・アライバル・カウンター

で料金を支払い到着ビザを取得してください。

到着ビザの取得費用は

50万ルピア(35USドル)

です。


日本円やUSドルでの支払いもできますが、計算レートがあまり良くないのでインドネシアルピアで支払ったほうが良いです。

シングルビザ

シングルビザでのインドネシア滞在期間は30日か60日で、最長6ヶ月まで延長できます。

期間中にインドネシアから一度でも出国すると、その時点で無効になるので注意してくださいね。

シングルビザの申請費用は5750円です。

手続きは日本にあるインドネシア大使館、領事館で行います。

シングルビザには以下の3種類があります。

シングルビザ(B211A)

到着ビザとほぼ同じ商用や芸術・文化、スポーツ活動を行うためのビザです。

到着ビザと異なる点は

緊急時の作業(自然災害などの救助や復旧活動)

が含まれるくらいです。

最大6か月間延長できるので、工場での活動がない長期間の出張で使えます。

到着ビザ同様にシングルビザ(B211A)も工場訪問はできないので注意してください。

申請には

  • パスポート原本
  • パスポートコピー
  • 証明写真
  • 申請書
  • 招聘状/招待状原本
  • 英文推薦状原本
  • 英文経歴書
  • 往復航空券またはインドネシアから出国する航空券のコピー
  • 本人名義の1500ドル以上の残高証明書(通帳のコピー)

が必要です。

親族訪問が目的の場合、これに加えて身元保証人の身分証明書が必要になります。

シングルビザ(B211B)

B211Bは就労ビザ以外で工場訪問が可能な唯一のビザです。

このビザでは、

  • インドネシア製品価値の向上、国際的マーケティングのためのコンサルタントと研修
  • インドネシア支社への監査・品質管理・検査
  • 外国人労働者候補の採用に向けての実地試験

ができます。

申請には、B211Aと同様の手続きと「査証発給許可証」が必要です。

テレックスビザとも呼ばれる査証発給許可証は、インドネシア入国管理局で現地の身元保証人が申請します。

シングルビザ(B211C)

あまり一般的ではありませんが、マスメディアの取材や商業目的でない映画制作のためのビザです。

特殊なビザなのでくわしい説明は割愛します。

マルチプルビザ

マルチプルビザは発給日から1年以内であれば何度でも入国することができるビザです。

1回の入国で最長60日間滞在ができます。

申請費用は1年12,650円です。

有効期限は1年ですが、発給後90日以内にインドネシアに入国しないと無効になります。

東京のインドネシア大使館のウェブサイトには、マルチプルビザが適用される活動を

商用等(工業関連の訪問等の活動には適用されません)

とに書かれていますが、「等」には到着ビザやシングルビザ(B211A)のように親族訪問、社会訪問、芸術・文化、政府用務、トランジットが含まれます。

マルチプルビザの手続きも、シングルビザ(B211B)のように査証発給許可証が必要です。

日本のインドネシア大使館、領事館に提出する書類はだいたい同じですが、残高証明書は不要です。

一時滞在ビザ

一時滞在ビザは、就労・留学・インドネシア人との結婚などインドネシアに「住む」ために必要なビザです。

一時滞在ビザはC311~C319まで9種類あります。

ここでは、一般的によく使われる

  • C312 就労ビザ
  • C316 留学ビザ
  • C317 配偶者ビザ
  • C319 リタイアメントビザ

に絞って説明します。

申請費用はいずれのビザも16,650円です。

C312 就労ビザ

就労ビザは、インドネシアで働ける唯一のビザです。

申請に必要なのは、

  • パスポート原本
  • パスポートコピー
  • 証明写真
  • 申請書
  • 招聘状/招待状原本
  • 英文推薦状原本
  • 査証発給許可証
  • 英文経歴書
  • 往復航空券またはインドネシアから出国する航空券のコピー

です。

シングルビザ、マルチプルビザとあまり変わらないように見えますが、査証発給許可証の取得手続がとてもめんどくさいです。

ビザ申請者が就く予定の職業に適した学歴、職歴があるかなども厳しく審査され、申請してもビザが発給されないケースもよくあります。

C316留学ビザ

インドネシアに留学する学生は、一時滞在ビザ(C316)を取得しなければなりません。

申請に必要な書類は、就労ビザと変わりません。


ただ査証発給許可証の手続を留学先の学校から申請を受けた教育・文化省が行うので、インドネシア側での手続きが進まないことが多いです。

C317 配偶者ビザ

インドネシア赴任に帯同する配偶者や子、インドネシア人と結婚してインドネシアで暮らす日本人のためのビザです。

日本では日本人と結婚した外国人は好きな仕事に就けますが、インドネシアでは配偶者がないと一切の就労が認められていません。

必要な書類は、就労ビザ、留学ビザと同じです。

インドネシア人女性と結婚して婚姻ビザを取得している友人は、

「婚姻関係をしっかり証明できれば比較的簡単に発給されるよ。」

ただ、

「イミグレで毎回、「どこで知り合ったんだ?」「子どもはいるのか?」とか聞かれるんだよね…あれは雑談なのか、はたまた書類と矛盾してないか探りを入れているのか、どっちなんだろう」

と言ってました。

C319 リタイアメントビザ

退職後をインドネシアで過ごしたいという55歳以上シニアのためのビザです。

リタイアメントビザの申請方法は特殊で、指定旅行代理店経由でジャカルタの入国管理局で手続きしなければいけません。

必要な書類はパスポートや経歴書だけでなく、

  • インドネシアでの生活費として毎月2500ドルの支払い能力を証明する年金証書か銀行の預金残高証明
  • 3万5000ドル以上の自宅の購入証明書、または月額1000ドル以上の賃貸物件の賃貸契約書
  • インドネシア人の使用人を雇用している証明書

も必要です。

インドネシア人が外国人高齢者にリタイアメントビザを発給する目的は、現地の雇用を作りお金を落としてもらうことだと言えるでしょう。

インドネシアの観光ビザと就労ビザのちがい

もし、あなたがインドネシアで仕事をしたいなら、就労ビザを取るしか方法はありません。

インドネシアの就労ビザは他のASEANの国とくらべ条件が厳しく取得しにくいと言われていますが、就労ビザ以外では仕事ができないので他に選択肢はありません。

インドネシアを観光目的で訪れる場合で

  • 30日以内ならビザは不要
  • 30日を超える場合は到着ビザ

を取得しなければなりません。

短期間の滞在でも延長の可能性があるなら、空港で到着ビザを取得することをお勧めします。

ビザ無し入国では延長できないので。

いずれの場合も日本で手続きをする必要はなく、インドネシアの空港で手続きできるので簡単です。

まとめ

いかがでしたか。

今回は、

インドネシアのビザの種類と申請方法、そして観光ビザと就労ビザのちがいについて解説しました。

種類も多く複雑なインドネシアのビザですが、それぞれのビザの意味がわかれ、正しく手続きすればなにも心配することはありません。

しかし、

インドネシアのイミグレ(入国管理局)は、最近チカランやカラワンなど外国人の多い工業団地や、外国人が多く住むアパートメント、日本食レストランなどに突撃の査察をやることも多いです。

このとき、もしビザの資格外活動が判明すると、

「罰金」という名の多額の賄賂

を要求されます。

ビザトラブルで1億ルピア(約80万円)以上の罰金が請求され、交渉の末3000万ルピア(約24万円)を支払ったという話は”ジャカルタあるある”なので。

もし資格外で工場に立ち入り作業していて踏み込まれたら、イミグレからの請求を拒否するのは難しいです。

「そんなにタイミングよく査察があるわけない」と思うかもしれませんが、会社の総務担当者や泊っているホテルがイミグレとつながっていたりするので油断はできませんよ。

罰金を科されたり、イミグレの留置所で一晩を明かしたり、国外退去を命じられるなんてことがないよう、目的に応じた正しいビザを取ってくださいね!

Sampai jumpa lagi~!(またね)