Selamat siang(こんにちは)
アジアン乗り鉄ティンギィです。
世界で猛威を振るう新型コロナウィルスですが、いまだに収まる気配が全くありません。
アジアを中心に増加していた感染者数は今やヨーロッパやアメリカにも拡大中で、各国で入国の制限、フライトのキャンセルが相次いでいます。
せっかくの春休み、海外旅行を予定していた人も多いと思いますが、海外に出ることすら難しくなってきた今日この頃。
インドネシアも例外ではありません。
2020年3月20日からインドネシアへの入国者の規制がさらに厳しくなり、4月には外国人入国禁止も実施されています。
※コロナショック後のジャカルタの街の様子を動画でまとめたので、ご覧ください!
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今回は、
コロナウイルスのインドネシアの渡航制限の内容と感染者数、日本人の入国リスクと現在の規制状況をジャカルタから検証します。
Contents
コロナウイルスのインドネシアでの感染者数の現状
インドネシア近隣の東南アジア各国でコロナウイルス感染者が多く出ているものの、2月下旬までインドネシアは感染者数ゼロと強気の姿勢でした。
2月上旬に中国からの渡航者を制限したものの、バリ島を中心に多くの中国人観光客が訪れており、この数値には海外メディアを中心に疑問の声があがっていました。
しかし、この頃は市民の間でもコロナウイルスは心配されてなくてシンガポールが大変なことになっていると中国色を隠すような雰囲気でした。
中国との結びつきが強い今のインドネシアの政治的な配慮だと思います。
状況が一変したのは3月上旬のことです。
政府は3月2日、「西ジャワ州デポック市で2名のコロナウイス感染者を確認」と発表しました。
デポック市とはジャカルタの南どなりの都市で、ジャカルタのベッドタウンとも言われています。
デポックにはインドネシアの東大といわれる国立インドネシア大学があり、日本学科でも有名なので日本文化関係のイベントや会議もしばしば開催されています。
そんな中、この2名の感染者の感染源は日本人(ただし日本人は出国済み)と発表されました。
これまた、政治的に裏がありそうな話ですが、これ以来日本人がタクシーで乗車拒否されたり、レストランで入店拒否されるなどの被害が発生しています。
さらに、ジョグジャカルタでは研修旅行中の日本人大学生グループの一部が病院に隔離されています(実際にその学生は感染していなかった)。
このように、日本人にとっては肩身の狭い状況になってきていますが、私のまわりではそのようなことはありません。
しかし、その後もコロナウイルス感染者は増加しており、ジャカルタ特別州を中心に規制が厳しくなってきています。
外国人との交流が多い南ジャカルタで感染者の数が特に増えているのは、当然の結果と言えるでしょう。
つまり、空港での水際対策はまったく意味がないと言えるでしょう。
3月下旬時点でのインドネシアのコロナウイルス感染者数は172人です。
世界的に見ればインドネシアの感染者数はまだ少ない方ですが今後拡大する可能性があるので、ジャカルタ特別州を中心にコロナウイルス対策が3月中旬から始められています。
インドネシアの渡航制限の内容と空港での対応はどの程度
コロナウイルスの世界的感染拡大の中スカルノハッタ国際空港では、国際線の乗客に体温検査と問診票の提出を義務付けています。
問診票は簡単なもので、いくつかの質問に「はい」「いいえ」「わからない」で答えるだけなので、実際のところ、適当に書いても通過できるような状況です。
体温の異常を申告したり「はい」「わからない」が一つでもあれば、自動的に入国拒否になります。
この1か月間で180人が入国拒否になっています。
そして、2月からは中国からの渡航者、3月からは韓国からの渡航者に一部制限を加えています。
しかし、その他の国からの入国や経由便での入国にはまったく制限がない状況が続いています。
2月~3月は私の会社にも日本からの出張者が多かったので、何度か空港に送迎に行きましたが、体調が悪い人でも申告しなければ問題なく入国できていたようです。
3月20日からの大幅な入国制限を実施
インドネシア政府がコロナウイルス対策でフィリピンやマレーシアなど周辺各国に遅れを取っている理由は、経済活動停滞への懸念が挙げられます。
インドネシアは日本などの外資系企業に依存している国です。
外国との往来を完全にシャットアウトして外資系企業の活動が停止すれば大問題です。
コロナウイルスの影響でただでさえルピアは暴落しているので、さらなる景気悪化は避けたいのでしょうね。
そうこうしているうちに感染者数が増加してきて、まず教育機関に規制が入り
外国から帰国した学生、教員、また入国する関係者は14日間の経過観察
が必要になりました。
これで教育関連の研修やイベントは中止されることになります。
また、学校の休校なども検討されるようになりました。
しかし、会社からの出張者はその会社が自主的に規制しないかぎり入国を続けていました。
が、3月20日から、外国人の入国(及び帰国するインドネシア人)に大幅な制限が加えられています。
くわしくは在インドネシア日本大使館のホームページで確認できます。
重要な部分だけ抜粋しますね。
◆全ての国からの訪問者・旅行者について,インドネシア政府は,査証免除(BVK),入国時一次査証(ビザ・オン・アライバル),外交・公用旅券の査証免除を1ヶ月間停止することを決定した。
◆このため,インドネシアに渡航する全ての外国人は,在外インドネシア公館において,目的に応じた査証を取得しなければならない。査証申請に際し,申請者は,各国の保健当局(Health Authorities)が発行した健康証明書(health certificate)を提出しなければならない。
◆過去14日間に以下の国を訪問した訪問者・旅行者は,インドネシアへの入国・トランジットを許可しない。
a. イラン
- イタリア
- バチカン
d. スペイン
- フランス
- ドイツ
- スイス
- 英国
◆全ての訪問者・旅行者は,インドネシアの国際空港に到着する前に,健康申告書(Health Alert Card)を記入し,空港保健所に提出する義務がある。
◆上記の国々に渡航したインドネシア国民は,インドネシアに到着時,空港保健所で追加的な検査を受ける。
・COVID-19の初期症状がある場合は,追加的検査を受け,政府の機関で14日間の観察に置かれる。
・COVID-19の初期症状がない場合は,当該人物は,14日間の自主的隔離を行う。
◆過去14日以内に上記の国々に渡航歴がある場合は,当該人物はインドネシア入国を拒否される。
◆一時滞在許可(KITAS)・定住許可(KITAP)保持者,及び外交・公用滞在許可保持者で,現在外国に滞在し,再入国許可が失効する場合,その手続きは法務人権大臣令(2020年第7号)に沿って行われる。
(注:本大臣令第6条によると,(1)現地の保健当局が発行する新型コロナウイルス非感染証明書(英文)の提出,(2)インドネシアに入国する以前の14日間に新型コロナウイルス非感染地域に滞在したこと,あるいは,インドネシア政府による14日間の隔離を受ける用意があることを宣言すること,をもってインドネシア在外公館から再入国許可を取得することができるとされています。)
◆本措置は,3月20日0時(インドネシア西部時間)から効力を発する。
引用元:https://www.id.emb-japan.go.jp/itprtop_ja/index.html
※コロナショック後のジャカルタの街の様子を動画でまとめたので、ご覧ください!
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インドネシアへの出張やラマダンの一時帰国は控えるべき?
3月20日以降、スカルノハッタ空港では一切のビザ手続きを行わなくなりました。
これまでインドネシアに来る人は空港で到着ビザを購入するか、観光目的のビザ免除で入国していましが、一切停止となります。
つまり、事前に日本などの出発地での公的な保健機関から、コロナウイルスに感染していないという証明書をインドネシア大使館に提出しなければならなくなりました。
コロナウイルスに感染してないという証明がある場合のみビザが発給されるというわけです。
しかし、問題なのは日本でこのような健康証明書を出す機関がないということです。
さらに、大使館での手続きも相当の時間を要するでしょう。
なので、事実上外国人の入国拒否と変わりません。
しかし、入国拒否とキッパリ言わないところがインドネシアらしいですね。
ところで、インドネシア在住のビジネスマンや駐在者は疑問に思うことがあるでしょう。
すでにビザを持っている人はどうなるのか?ということです。
たとえばアセアンビジネスパスや駐在者のKITASですが、こうした在住者許可も同じ扱いです。
効力こそ失効していないものの、入国には健康証明書をインドネシア大使館に提出する必要があります。
なので、インドネシアへの出張も当面の間不可能になるでしょう。
インドネシアに駐在している人たちにとって2月~3月は一時帰国の季節です。
しかし、日本に一時帰国するため出国すると戻って来られなくなる可能性が高いです。
そのため、インドネシアからのフライトチケットのキャンセルが相次いでいます。
企業によっては当面の間、一時帰国を認めないというところもあるようですし。
次の一時帰国のタイミングと言えば、5月下旬のラマダンですが、そのときまでに収束していることを祈っています。
ジャカルタ市内の現在のコロナの規制状況
ジャカルタ市内では3月16日から公共交通機関に大幅な制限が加えられました。
この公共交通機関はジャカルタ特別州傘下のMRT、トランスジャカルタ、LRTです。
いずれも運行時間を6:00~18:00に限定し、MRTは20分間隔、トランスジャカルタは専用レーンを走る1~12系統・13A系統のみ20分間隔での運行です。
それ以外のアルファベットの付く直通便はすべて運行休止です。
事実上の運行停止と変わらない状況ですが、中途半端に走らせたからか初日は乗り切れない利用客が長蛇の列となり逆効果でした。
この状況を見て多くの会社が2週間の自宅勤務に切り替えました。
私の会社も16日時点ではヤルと言っていましたが、出社できない職員が多すぎて17日から自宅勤務になりました。
一定の効果のあった施策でしたが、17日から運転本数をもとに戻しトランスジャカルタでは運休していた一部の系統も復活させています。
しかし、いずれも乗車定員制なので乗り切れないときは数台待つことになります。
さらにジャカルタ特別州が運営する観光施設はすべて休園となっています。
- コタトゥアの各博物館
- モナス
- ラグナン動物園
- タマンミニ
いずれも休園中で再開の目途はたっていません。
コロナ前・後のジャカルタでは何が変わった
何が変わったかと言えばマスク着用率です。
3月2日を境にして電車やバスに乗っている人たちの意識が変わりました。
ここジャカルタでも、マスクが手に入りづらくなりました。
またバスが一部運行を停止したことから交通渋滞が格段にひどくなっています。
私も市内中心部にはなるべく行かないようにしています。
それからもう一つ、野菜などの食材の高騰です。
この前、タマネギが一玉20,000ルピア(約160円)以上もしてびっくりしました。
中国産の野菜や果物の輸入が制限され、玉ねぎや白菜などの価格が跳ね上がっているようです。
さらにこれに便乗して、その他の食材も値上がり傾向にあります。
※コロナショック後のジャカルタの街の様子を動画でまとめたので、ご覧ください!
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まとめ
全く収まる気配の無いコロナウイルスの猛威。
公表されている数以上の感染者が存在する可能性もあり、まったく余談が許されない状況です。
私の周囲でも泣く泣くインドネシア行きをキャンセルした人がたくさんいます。
ジョコウィ大統領は、都市閉鎖はあり得ないと強調しています。
経済活動を止めるわけにはいかないので、近隣国が鎖国、都市閉鎖を続けも当面は現状維持でしょうね。
事実上の入国拒否、都市閉鎖状態ではありますが、引き続き門戸は開かれている状態です。
ただ、これが一体いつまで続くのかはわからず、長引けばインドネシア経済にも大きな影響がでてくるでしょう。
こればかりはどうしようもないのですが、せめてラマダンまでには収まってもらいたいと思います。
果たして、世界はどうなってしまうのか、心配です。