スラマッシアン、アジアン乗り鉄Tinggiです。

ジャカルタは2019年8月に世界一空気の汚い都市に認定されましたね…

近年、大気汚染の数値が急上昇していますが、なんでも工場の煙やスマトラやカリマンタン島の野焼き、自動車台数の増加が主な原因のようです。

世界有数の渋滞都市ジャカルタで渋滞や大気汚染をなんとかするため導入されたのが「乗用車ナンバープレート奇数偶数規制」です。

今回は、

ジャカルタ奇数偶数制度の通行規制拡大の理由や適用区間と規制時間と現在の状況をジャカルタ在住7年目の乗り鉄ティンギーが解説します。

Contents

ジャカルタ奇数偶数制度とは

ジャカルタ都心部の渋滞を減らすため、以前

「3イン1」

というマイカー規制が導入されました。

「3イン1」規制とは、1台の車に3人以上乗車していないと規制エリアに入れないという規制です。

この規制、ジャカルタ市内の車の台数を減らすのが目的でしたが、

  • 乗車人数をそろえるため同乗して小遣いを稼ぐ「ジョッキー」が現れる
  • 一台ずつ乗車人数を数えにくい

などの理由から効果はありませんでした。

そこで、「3イン1」に代わる規制として、市内を走る自家用車から通行料を徴収する

電子課金システム

の導入が検討されています。

しかし、この規制の実現には技術的な問題が多いので、導入にはもう少し時間がかかりそうです。

そこで、

手っ取り早い規制として導入されたのがナンバープレート規制でした。

ナンバープレート奇数偶数規制とは、車のナンバープレートの末尾の番号が奇数か偶数かで通行可能日を分けます。

ルールは、末尾ナンバーが奇数の車は奇数日、偶数の車は偶数日だけ規制エリアを走行できます。

インドネシア語では「ガンジル・グナップ」と呼ばれるナンバープレート規制は、北京をはじめ世界中で採用され、オリンピックを控えた東京でも導入を検討されています。

2019年通行規制拡大の理由

「奇数偶数制度」が始まった2016年8月の規制区間は、ジャカルタを南北に貫く

タムリン通り、スディルマン通りの一部(モナス~ブロックM間)

だけでした。

ところが、

2018年アジア大会では、選手村から会場までのエリアで適用区間が大幅に拡大します。

スディルマン通りのバイパスのラスナサイド通りに加え、ジャカルタ市街の外周道路ガトットスブロト、MTハルヨノ、DIパンジャイタン、アフマッドヤニ通りにも規制は拡大されました。

わかりやすく言うと、

トランスジャカルタ9号線・10号線より内側に入る自家用車

が規制されました。

アジア大会のナンバー規制は一定の効果があり、大会期間中はトランスジャカルタの増便もあり、渋滞がすくなくスムーズに移動できるようになりました。

数年ぶりに日本からジャカルタに来た友人は、

「前と比べて渋滞がマシになった」

と喜んでいました。

大会終了後、規制の一部は解除されたものの、外周道路はひきつづきナンバー規制されていました。

そして、

2019年8月ジャカルタが大気汚染ナンバーワンのレッテルが貼られたこと?!から、「奇数偶数制度」の規制道路がさらに拡大したというわけです。

奇数偶数規制の適用区間や規制時間は?

2019年9月9日から拡大されたナンバープレート規制は始まっています。

9月9日以降の「奇数偶数制度」の規制エリアは下記のとおりです。

  • ジャカルタコタからファットマワティ
  • ガジャマダ・グヌンサハリ・プラムカ通り

などほとんどの市内主要道路が「奇数偶数制度」対象道路になっています。

規制時間帯は

  • 午前6時~10時
  • 午後4時~9時

までです。

規制時間帯をさらに拡大するといウワサもあるので、ジャカルタ市内へ車で行くときは最新情報に注意してくださいね。

ジャカルタの道路の現在の渋滞状況

ところで、「奇数偶数制度」が導入されて渋滞は緩和されたのでしょうか?

いつも渋滞する場所は状況は変わっていません。

東西を走る高速道路は渋滞に弱く、ブカシやタンゲランに向かう高速の十字路の朝夕の渋滞は相変わらずひどいです。

スディルマン通りのスマンギやドゥクアタス付近も定番の渋滞エリアですね。

この他にも、LRTの工事の影響で朝のMTハルヨノ通りのチャワン~クニンガンもかなり渋滞しています。

こんな感じで、正直、ナンバープレート規制だけでは渋滞緩和は難しいです。

それでも車の平均走行速度は10%ほど改善し、大気汚染についてもPM2.5が市内中心部で20%ちかく減っているのである程度の効果はあるとはいえるのでしょうが..

規制エリアはトランスジャカルタやMRTの運行区間なので、駅近くのモールなどに駐車して市内中心部へはトランスジャカルタやMRTで行く人が増えれば渋滞も改善していくでしょうね。

奇数偶数制で注意すべきこと

ところで「奇数偶数制度」で違反すると罰金とか厳しいのでしょうか?

今のところ、そこまで厳格に運用されていなくて、警察に見つからなければ規制対象のナンバーでも普通に走ってたりします。

規制エリアを行きかう車のナンバーを見ると、奇数の中に偶数がまぎれています。

ちなみに、

ブルーバードタクシーやグラブやゴジェックなどの配車アプリの車は規制対象ではありません。

配車アプリの車はマイカーと区別がつかないので、さらにわかりにくくしています。

また、

ジャカルタにオフィスのある会社は、奇数ナンバーと偶数ナンバーそれぞれの車を用意して対策してることが多いです。

ナンバー規制の罰金は

最高でも50万ルピア(約4,000円)

です。

が、実際は、

5万ルピア(約400円)

しか請求しないことが多いようです。

このへんもTidak apa apaなインドネシアらしいですよね。

その日の警察の懐具合と気分しだいというわけです。

ジャカルタで働くわたしの友人は、

「規制の日でも、警察の姿が見えたらドライバーに迂回するように言うけど、警察にいきなり止められたところで、罰金たいした額じゃないんで払えばいいし..」

なんて言ってます。

まとめ

いかがでしたか。

今回は、

ジャカルタ奇数偶数制度の通行規制拡大の理由、適用区間や規制時間と現在の状況を見てきました。

急場しのぎの「奇数偶数制度」なので、「電子課金制度」の準備が整えば今後はこちらに移行していくでしょう。

ジャカルタの渋滞は、道路や公共交通網の整備の遅れが原因の一つなので、MRTジャカルタの東西線など交通網の整備が待ち遠しいです。

それと、大気汚染についても首都機能の一部移転などの計画とともにインドネシア政府のさらなる対策が期待されています。

サンパイ・ジュンパ・ラギ~