こんにちは。
バリ島在住のアイーです。
人口の約9割がイスラム教徒のインドネシア。
ここバリ島はヒンドゥー教徒が多いものの、ジャワ島など他の島から移住したイスラム教徒がたくさん暮らしています。
4月23日から始まった2020年のイスラム教徒の一大イベント「ラマダン」。
5月23日で1カ月の苦しい断食を終え、翌日ラマダン(断食月)が明けたことを祝う
断食明け大祭(Idul Fitri)
が行われました。
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今回は、
コロナパンデミックの影響でインドネシアのレバラン(2020)休暇はどうだったのか、断食明け大祭(Idul Fitri)の意味とラマダンとレバランの違いをバリ島在住ムスリム日本人女子が解説します。
Contents
断食明け大祭(Idul Fitri)とは
まず、最初に「断食明け大祭」(Idul Fitri)とは何なのでしょうか。
前回のブログで「ラマダン」の意味についてお話ししたとおり、イスラム暦の9月を「ラマダン」と言い、この神聖な月にイスラム教徒は1カ月間断食を行います。
くわしくはコチラ
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コロナウイルス渦中のインドネシア(バリ島)でラマダンの影響は?ラマダン(2020)の期間・意味・モスクでの集団礼拝禁止・断食(プアサ)明けの食事など最新解説!
この断食を終えた翌日のイスラム暦の10月1日に、イスラム教徒はラマダンを無事終えたことを盛大にお祝いします。
このお祝いのことをIdul Fitri(イドゥルフィトリ)といいます。
また、Idul Fitri(イドゥルフィトリ)ではある言葉を言わなければいけません。
その言葉は
Minal Aidin Wal Faizin(ミナ アイディン ワル ファイジン)
です。
Idul Fitri当日に、家族、親戚、知人達とお互いにこの言葉を交わします。
この言葉は
「1年間、私が犯した過ちをお許しください」
という意味だそうです。
日本でいうお正月に「明けましておめでとうございます」と言うのと同じです。
では、なぜイスラム教徒はこの言葉を言い合うのか。
ラマダン期間中、イスラム教徒は断食などありとあらゆる欲を捨てて1日5回のお祈りをし、信仰心を清めます。
信仰心を清めることでイスラム教徒の神アッラーは、前回のラマダン明けから今までに私達が犯した過ちを許してくれるそうです。
イスラム教徒はラマダン明けのIdul Fitri(イドゥルフィトリ)を新鮮な気持ちで迎え、神アッラーが過ちを許してくれたように私達も過ちを許し、犯した過ちに対し謝罪して罪を許しあいます。
なので、この言葉を言い合うことが、Idul Fitri(イドゥルフィトリ)ではとても大切とされています。
ラマダンとレバランの違い
ラマダンとレバランのちがいを簡単に言うと、ラマダンは修行の期間、そしてレバランはラマダン(修行)を終えたことをお祝いすることです。
ラマダンとはイスラム暦の9月を意味し、コーランが預言者ムハンマドに啓示された月でありイスラム教徒にはとても神聖な月なのです。
このラマダンの1カ月間は、イスラム教徒は断食などの修行をして信仰心を高めて神に奉仕します。
では、レバランとは何なのか。
レバランとは、先ほど説明したIdul Fitriと同じで「断食明け大祭」を意味します。
1カ月間の苦しいラマダン(断食月)が無事終わった事を祝う日がレバランです。
レバランもIdul Fitriも同じ意味を表す言葉なので、どちらを使ってもよいそうです。
レバランはインドネシアの主要な祝日の1つでもあります。
インドネシアのカレンダーではレバランの休日は2日間となっていますが、年によって政府のさじ加減でレバランの前後数日から1週間程度の長期休暇となります。
この休暇をレバラン休暇と言います。日本の年末年始の長期休暇のようなものです。
断食明け大祭(Idul Fitri)とレバラン休暇の過ごし方
レバラン休暇の過ごし方についてお話したいと思います。
断食明け大祭(Idul Fitri)は日本のお正月、レバラン休暇は日本の年末年始休暇のようなもので、当日は朝起きてシャワーを浴びます。
モスクで礼拝する前に体を清めなければならないので。
それから朝の7時にモスクに行き集団礼拝をします。
モスクでの集団礼拝のあと、家族や親戚の家で食事を共にしラマダンが明けた事を一緒に祝います。
この日のために服を新調したりご馳走を作ったりします。
インドネシアではお祝いの日に、グライ(gulai)やラオン(rawon)といった牛肉を使った料理と、カトパットッ(Ketupat)という名前のお餅を用意します。
レバラン休暇中に忘れてはいけないのが、さっきもお伝えした言葉「Minal Aidin Wal Faizin」です。
この言葉を伝える順番もあって、最初に母親に伝えます。
そして父親、兄弟、親戚、友人の順番であいさつします。
なぜ母親が一番先かというと、コーランに母親に敬意を払えと書いてあるからだそうです。
コロナパンデミック下の2020年レバラン休暇
毎年、レバラン休暇にはほとんどの人が故郷に帰ります。
しかし、今年はコロナパンデミックの影響でインドネシア大統領は帰省の自粛を国民に求めていました。
しかし、実際は帰省している人はたくさんいたみたいです。
バリ島に住む多くのイスラム教徒は帰省していたので、断食明け大祭(Idul Fitri)当日は例年よりも人が少なかったです。
人の大移動で、さらなるコロナウイルス感染拡大が懸念されます。
帰省した人がバリ島に帰ってくる時期にまたパンデミックするのではと今から恐ろしいです。
また、感染拡大の懸念材料の断食明け大祭(Idul Fitri)当日のモスクでの集団礼拝ですが、バリ島では断食明け大祭(Idul Fitri)当日も全モスク閉館していて集団礼拝が禁止されていました。
まとめ
ラマダン明けのお祭りである「断食明け大祭」(Idul Fitri)・レバランについてご理解いただけたでしょうか。
日本人にとっては馴染みのないイスラム教ですが、私もラマダン、レバランを体験するまでどんなものか想像できませんでした。
ラマダン、断食明け大祭(Idul Fitri)の初体験は、今まで宗教を信仰してこなかった私にとって刺激的な1カ月でした。
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