Selamat siang(こんにちは)

アジアン乗り鉄ティンギーです。

あまり知られていませんがインドネシアは東南アジア一の鉄道大国です。

ジャワ島とスマトラ島に約5000㎞の路線網があり、主要都市を結ぶ特急列車が行き交っています。

インドネシアの鉄道は10年前までは屋根にも人が乗っているような無法地帯でしたが、現在は日本の鉄道とあまり変わらなくなりました。

複線化も進み定時運行率もUP、チケット購入のオンライン化も進み、誰でも簡単に利用できるようになりました。

今回は、

その中でも特にゴージャスなインドネシア貸切列車KERETA ISTIMEWAの料金と予約方法、定員・運行区間や食事の内容など解説します。

Contents

インドネシアの貸し切り車両の種類

インドネシア鉄道(KAI)の子会社の

インドネシア鉄道ツアー社(KA Wisata)

が、政府要人用の車両を一般旅客にも開放しました。

この貸切特別列車の名前は、

トラジャ・ヌサンタラ・バリ

です。

製造された年代は古いものの、現ジョコウィ大統領が乗ったこともあり、とても人気のある車両です。

また、ヌサンタラの最後部は展望窓になっていて、後部展望が楽しめるのも魅力の一つです。

運が悪いと、機関車や電源車しか見られないこともありますが……

※いずれの車両にもミニバーがあり、ビュッフェスタイルな食事が含まれます

ただ、近年富裕層の増加により貸し切りの予約が増えていて、

プライオリティ・インペリアル・スマトラ・ジャワ

という貸し切り車両も導入されました。

デビューからまだ間がないので、車内は新車のようにきれいです。

外装は茶色でレトロな雰囲気を醸し出しています。

プライオリティとインペリアルは複数車両あり、プライオリティは個人旅客でも手軽に利用できる裏技があります。

貸切列車の予約方法を知りたい方は最後まで読んでくださいね!

ここまでご紹介した車両は、「客車」単位の予約で、定期列車に1両増結する形になります。

1列車まるごと貸し切るには、5両くらい貸切で、機関車も貸切る必要があります。

最新の貸し切り車両、クレタイスティメワ

クレタイスティメワ インドネシア 貸切列車

そんな中、完全な貸し切り列車として2019年9月末に登場したのが、

KERETA ISTIMEWA(クレタ・イスティメワ)

です。

日本語訳すると、「特別列車」とそのままですが、名実ともに特別な列車に仕上がっています。

2両編成の自走式ディーゼルカーなので機関車も必要ありません。

この列車を予約すれば、リクエストしたダイヤで完全オーダーメイドの貸し切り列車を仕立てることができます。

私はクレタイスティメワを公式リリースと同時に予約し、先日の自分の結婚式で来賓用に貸し切りました。

インドネシアムスリムの結婚式の流れを動画でまとめてます。

インドネシアでイスラム式の結婚式を挙げてわかったこと!国際結婚の手続きと入籍の流れを実況中継

登場したばかりで、KA Wisataの窓口で予約できなかったので、バンドンのKAI本社のクレタイスティワのお披露目式に参加して直接交渉しました。

そこで、

運転日と運転区間、運転時刻の確約

などを決めました。

豪華車両の貸し切りは一生に一度かもしれません。

ちなみに、私の予約に時間がかかったのは、

  • 定期列車の設定のない区間
  • 普段停車しない駅

に停車する必要があったからです。

わたしが予約したときは、駅の窓口で予約できませんでしたが、今後は駅で特別列車を予約できるようになるでしょう。

インドネシアの貸し切り列車の料金・定員・区間

インドネシア 貸切列車

インドネシアの貸し切り列車の料金ですが、

クレタイスティメワを除く客車タイプでジャカルタ~バンドン間の特別列車を貸し切ると、

約20jutaルピア(15万円くらい)

です。

週末(金土日)や連休、定員の多いプライオリティ車ではさらに料金が高くなります。

貸切列車の定員と料金一覧(例:ジャカルタ~バンドン・チルボン・テガル間、いずれも週末料金)はこちらです。

  • トラジャ 22人 19juta(約15万円)
  • ヌサンタラ 19人 (約15万円)
  • バリ 20人 19juta(約15万円)
  • プライオリティ28人 21juta(約17万円)
  • インペリアル20人 21juta(約17万円)
  • スマトラ22人 21juta(約17万円)
  • ジャワ20人 21juta(約17万円)

※2020年1月現在

 

人数割りすれば1人当たり1万円を下回るので、日本の鉄道料金とくらべると割安です。

この料金には車内での食事・デザート・飲み物も含まれています。

食事はビュッフェスタイルで、人数的に十分なほどの料理が用意されています。

運転区間は定期列車(特急・急行クラス)が運転している区間なら、どこにでも連結できます。

クレタイスティメワの定員と料金(例:ジャカルタ~バンドン・チルボン・テガル間、いずれも週末料金)

クレタイスティメワ 40人 60juta(約48万円)

※2020年1月現在

 

完全な貸し切り列車は、特別ダイヤの設定、乗務員の手配、燃料など必要経費が多いので、客車貸し切りと比べ料金は高めになります。

それでも人数割りすれば払えない金額ではないので、日本人的には実現可能な金額だと思います。

そして何より、ジャワ島内であれば線路があればどんな区間でも運行することができます。

たとえば、特急列車の停車しないチカラン駅からでも貸切列車を停車できます。

ジャカルタ市内まで出るのめんどくさい・・・と言うブカシ方面在住者にとっては大きなメリットになるでしょう。

なにより完全オーダーメイドの列車を走らせる体験は一生の思い出になることでしょう。

貸切列車の食事などサービスは?

クレタイスティメワ インドネシア 貸切列車

すでにご紹介のとおり、いずれの貸し切り車両もミニバー(ビュッフェカウンター)があるので、インドネシア料理を車内で食べられます。

日本では食堂車は珍しいので、このような体験ができるのもインドネシアならではでしょう。

私がクレタイスティメワを予約したときは、乗車の1週間ほど前にビュッフェメニューが送られてきました。

メニューの中から食事を選びます。

基本的にメイン料理1種、スープ、ご飯という内容ですが、一部はご飯がナシバカルになっていますが、普通のご飯もあります。

ナシバカルはなくなっても補充されるので、全員食べすぎというくらい満腹になりました。

お国柄アルコールの提供はありませんが、持ち込みは自由です。

冷蔵庫もあるので、ビールを冷やすこともできます。

クレタイスティメワは普段は政府要人輸送車両として使われているので、車内に鉄道警察隊が2名乗車していました。

沿線でも列車通過前にセキリュティーの巡察があり、駅を通過するときは立番中の軍人や駅長らによる敬礼があったりと、なかなか味わえない体験が出来ます。

貸切列車の用途。結婚式にはアリ?

インドネシア 貸切列車

私は今回クレタイスティメワを結婚式に出席する来賓用に使いましたが、KA Wisataから、サプライズで花束が渡されるなど嬉しいサービスもありました。

イスラム式の挙式なので嫁は実家で待機するしかなく、この列車に乗車することは出来ませんでしたが、車内で披露宴をするのもアリだと感じました。

向かい合わせの座席にはマイクとカラオケもあるので、会場として使えます。

日本からの参加者もとても満足してくれました。

あと乗り鉄的には、運転台直後からの前面展望が最大の魅力だな~と感じました。

インドネシアで豪華貸切列車を予約する方法

列車の貸し切りはKA Wisataのオフィスで受け付けています。

ジャカルタでは現在、ガンビル駅の北改札側に一か所あるのみです。

いつもお客さんがいなくて空いているので、貸し切りの予約についての相談から料金の支払いまで丁寧に対応してくれます。

予約の流れは・・・

 

窓口で相談。

  • 申請用紙に必要事項、運転区間や希望時間帯を記入
  • KA Wisataから区間と時刻の仮確定の連絡が入り、請求書が発行される
  • 数日以内に料金を支払う(指定口座への振り込みも可、振り込み明細を必ず保管しておくこと)
  • なお、全額の支払いが無理な場合、デポジットのみでも可能。(金額は窓口で確認のこと)
  • 乗車人数を確定すれば、氏名・パスポート、KTP番号を記載したリストを提出

 

といった流れです。

乗車当日は出発駅に集合します。

集合時間と場所については、KA Wisataから直前に連絡が入ります。

ガンビル駅から発車の場合、団体専用入り口前での集合となります。

この時に、乗車証が配布されます。

このときまでチケットが発券されないので、気が気ではありませんが(笑)

なお、乗車するときにリスト通りの人が乗っているかどうかチェックされるので、パスポート・KTP原本を持参してください。

貸し切り車両に気軽に乗る方法

インドネシア 貸切列車

貸し切り車両に興味はあっても、人数が少なかったり予約するのが大変な人には、一部の貸し切り車両に乗る方法があります。

2018年3月からプライオリティー車両の個人予約ができるようになりました。

ジャカルタ~バンドン・ジョグジャカルタ間など、観光客が多い区間の特急列車にプライオリティ車両を増結し、通常の列車と同じ扱いで予約できます。

2020年1月現在では、ジャカルタ~バンドン間の特急アルゴパラヒャンガン号の一部列車に貸切車両が毎日連結されています。

予約方法は簡単で、KAIやTiket.com、トラベロカのオンライン予約システムの列車選択画面で、

「Parahyangan Priority」

と書かれた列車を選んでオンラインで購入するだけです。

貸切車両の食事は貸切特別列車とくらべると簡素で、スナックなどの軽食と紅茶・コーヒーが用意されています。

座席背面の画面では映画などのオンデマンドサービスもあります。

貸切車両の料金は

Rp.295,000(約2400円)

と通常のエグゼクティブクラスの倍ですが、これだけの設備であれば納得できると思います。

まとめ

いかがでしたか。

今回は、

インドネシアのゴージャス貸切列車についてお話ししました。

急速な経済成長を反映するように、インドネシアの鉄道もここ10年間で飛躍的に発展しています。

貸し切り車両の他にもKAIが最上位クラスの「ラグジュリー」を導入するなど、列車の高級化が一気に進んでいます。

インドネシアの鉄道など怖くて乗れないと言っている人は、とりあえず乗ってみてください。

そんな印象は180度変わるはずです。

そして、もうインドネシアの鉄道など乗りつくしたという人は、是非貸し切り運転にチャレンジしてみてください。

Sampai jumpa(ではまた)