こんにちは、アジアン乗り鉄ティンギです。
この5年~10年で街の様子もすっかり様変わりしましたが、コンビニもその中で急激に利便性が急激に向上したものの一つです。
私たちは何の気なしにコンビニと呼んでいますが、インドネシアではそのような呼び方はありません。
おそらく、通じないでしょう。
コンビニはインドネシア語ではミニマート。
あくまでも、小さなスーパーといった意味合いが強く、名実共にコンビニエンスなお店ではありませんでした。
また、「アルファマート」と「インドマレット」2社による寡占状態が長らく続いていてミニマートの代名詞的存在と化しています。
ミニマートという単語すら使わずに、そのまま「アルファマ―トはどこですか?」というフレーズの方が一般的なほど。
ですから、店舗のリノベーションは周辺国の同様の店舗と比べて非常に遅れていました。
しかし近年、両者は日系コンビニの進出で、店舗改革を余儀なくされつつあります。
今回は、アルファマートやインドマートなど変革期を迎えるインドネシアのコンビニ事情を紹介します!
Contents
インドネシアコンビニの二強「アルファ」「インド」の店舗の様子
インドネシアのコンビニの様子を動画でまとめています!
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犬も歩けば「アルファ」(インド)に当たると言われるほどの店舗数を誇るこれらコンビニ。
ジャカルタでは目と鼻の先に同じブランドの店舗が並んでいることもしばしばです。
アルファマートやインドマートはインドネシアに住んでいる人なら、当たり前すぎるお店です。
いずれもインドネシアのローカル企業で、アルファマートか赤と黄色、インドマレットが赤・黄色に青を加えた三色が看板などのイメージカラーで、見た目も似ています。
肝心の品ぞろえも似たり寄ったり。
入り口を入ったら洗剤やティッシュペーパー、油に米、卵が並んでいる光景には違和感を感じます。
コンビニエンスストアではなくミニマートと呼ばれる所以でしょう。
扱っているのはこのような日用品や、日持ちのする食材(常温で放置されている卵はいかがなものなんでしょう?笑)、それに飲料やお菓子がメインです。
スーパーから生鮮品を除いたような印象で、油・インドミー・缶詰などを買い物かご一杯にオバちゃんたちが買っていきます。
日本のコンビニの感覚だと異様な雰囲気です。
よって、普段、街中を歩いていて「インド」「アルファ」にお世話になるのは飲み物や、せいぜいアイスを買うことくらい。
いや、これくらいなら路地裏のよろず屋さん、トコクチルで事足りてしまうんですよね。
インドネシアのセブンイレブンはどうなった?
そんな中、2010年ころから、日系コンビニの進出が増えていきます。
ご存知の方も多いかと思いますが、インドネシアは国内産業を保護するため外資企業の参入障壁がとても高いんです。
コンビニ(ミニマート)の業種は外資参入が完全に禁止されています。
そのため、日系のコンビニは日本のように買ってその場で食べられるスペースをもった店舗設計にして、書類上「カフェ」として事業許可を取得しています。
レジ奥にコーヒーマシンなどのドリンク用の機材が設置され、レジ脇には揚げ物が並んだショーケースがあるのが特徴です。
おにぎりや、丼ものなどの弁当類も充実しています。
ところで、インドネシアの日系コンビニと言うとセブンイレブンが有名でした。
2009年に上陸し、2013年頃からジャカルタを中心に破竹の勢いで数を増やし、一時は200店舗近くになりましたが急速な店舗拡大が仇となり資金繰りが悪化して2017年に撤退しました。
セブンイレブンでは、店舗の1/3を占める巨大なドリンクコーナーがセルフ方式で設置されていて、ファミレスのドリンクバーさながらの光景でした。
この他にも、丼・おにぎり・サンドイッチなど日本では当たり前のラインナップがインドネシアで初めて販売され、当時は本当に感動したことを覚えています。
クッキーや菓子パンなどのプライベートブランド商品も多数開発していましたが、在庫管理が上手く行っていなかったようです。
弁当類も含め、相当量ロスが出ていたものと推測します。
しかも、大量買いのオバちゃんたちは来店しないため客単価も低く、これが撤退の最大の要因なのではないかと思います。
最後のころは商品発注ができず、店舗には水しか売られていない悲惨な状況でした。
多機能端末でのチケット購入や各種料金支払いが出来なくなり「アレっ」て思っていたら、案の定数週間後には商品がなくなりました。
店員に、「もうセブンイレブン潰れるよね?」と聞いても、みんな「大丈夫だ!」と最後まで言っていましたが…..
ジャカルタ進出からわずか数年で撤退してしまったセブンイレブンですが、これをきっかけとして既存のアルファマート、インドマレットでも店舗改革が進み、弁当類やカフェ機能が充実した店舗が徐々に増えてきました。
また、セブンイレブンで発売されていた一部の弁当や菓子パンなどはその後、ローソンやファミリーマートに引き継がれています。
元セブンイレブンの店舗が居抜き物件として、そのままローソンやファミリーマートになっている例も多いです。
インドネシアの日系コンビニ「ローソン」と「ファミリーマート」
2020年現在、インドネシアある日系コンビニはローソンとファミリーマートです。
ローソンは2011年、ファミリーマートは2012年に進出しました。
一時期、ミニストップもありましたが、やはり数年で撤退しています。
親会社のイオンは引き続きモールの拡大を図っていますが、コンビニ事業をインドネシアで起動に乗せるのは厳しいのかもしれません。
いずれもなかなか店舗数が増えませんでしたが、ジャカルタ都心部を中心に店舗数がようやく増えつつあるかなという印象です。
そのうち、ローソンはアルファマートとの合弁で進出しています。
既存コンビニ企業と組むというのは賢い判断ではないでしょうか?
弁当やカフェ部分はローソンオリジナル、その他の部分はアルファマートと同じ品ぞろえというのが特徴です。
もちろん、日用品や油や卵、米などは扱っておらず都心型の店舗設計となっています。
最近では高速道路のパーキングエリアや鉄道の駅でも見かけることが増えました。
ローソンの特色は弁当、おにぎりなどの他に、「おでん」を売っていることです。
「常夏のジャカルタでわざわざおでんを食うか?」と思うのですが、案外若者たちが買っています。
かくいう私はよほど冷房で体が冷えたときとか、雨の夜とかしか買いません….
汁は煮えすぎているのか、インドネシア人を意識してかちょっと塩辛い印象。
一部の丼ものは店内で調理しています。
また、セブンイレブンで1万ルピア(当時)で発売され人気のあった「ナシジャゴ」が「ナシアヤムバパオ」に名前を変えて発売されています・
懐かしく感じる人も多いのではないでしょうか?!
一方、ファミリーマートは2016年に大手スーパー「HERO」のコンビニ部門「スターマート」を買収しています。
店舗が拡大しています。
個人的にはファミリーマートが最も日本のコンビニの雰囲気がするなと感じています。
(ローソンの半分はアルファマートと同じなので・・・)
レジ横にはファミチキならぬアヤムゴレンがホットキャビンに並んでいる他、肉まん、あんまんも売られています。
丼ものはセントラルキッチンで調理されたものが輸送されてきています。
詳しい店舗の様子は動画でも紹介しているのでチェックしてみてくださいね。
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ジャカルタの「アルファ」・「インド」2020年最新事情
さて、このように日本式の店舗が増えてきたことで既存の2社も新しい店舗づくりが始まっています。
いずれも都心の店舗を中心に、弁当や菓子パン、またカフェ機能を強化しています。
特にインドマレットはミスタードーナツと提携してレジ脇でミスタードーナツのショーケースを置いて発売を開始しました。
インドネシアのドーナツ(ダンキンドーナツ)は甘いだけで全然おいしくない….という人もいますが、日系のドーナツがジャカルタで気軽に食べられるのは朗報です。
さらに店内調理の焼きたてパンを扱うお店も登場しています。
また、アルファマートではローソンと同じく山崎パンの取り扱いも始めました。
弁当の発売でやや出遅れ感のあるアルファマートですが、山崎のランチパックをはじめ甘くない菓子パンを気軽に購入できるようになったのは大きいです。
一部のインドマレットにはセルフ式の多機能端末が置かれていて、
- ケイタイプルサ
- 鉄道・航空機チケット
- 公共料金支払い
などが簡単にできます。
これらのサービスは以前からレジでやっていましたが、自分でタッチパネル操作で出来るのでより簡単になっています。
ジャカルタのコンビニまとめ
最後に、各コンビニの違いを簡単にまとめておきます。
- アルファマート:店内がやや暗めな印象、山崎パン取り扱い、カフェ機能がほぼないため、レジ待ちが短め、ポイントカードあり(ローソンと共通利用)
- インドマレット:アルファに比べ、店内が明るい、ミスタードーナツ、総菜パン、丼ぶりもの、フローズン弁当取り扱い、どカフェ機能が充実した店舗も登場
- ローソン:茶色いフローリングでシックな印象、丼ぶり、おにぎり、サンドイッチ類、おでんが充実。山崎パンや、伊藤園のおーいお茶も取り扱いあり、ポイントカードはアルファマートと共通
- ファミリーマート:店舗が清潔、コンパクト。丼ぶりの種類に親子丼やカレーなどもある。値段や他社より、若干高め。
近年、目覚ましい発展ぶりを見せているインドネシア(ジャカルタ)のコンビニ、今後も目が離せませね。
※インドネシアのコンビニの様子はこちら!
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