Selamat sianga(こんにちは)

ジャカルタ在住15年目の元新聞記者クーチンです。

海外移住を検討しているとき日本の住民票をどうするか悩みますよね。

海外に引っ越すなら基本的に海外転出届を出すべきですが、実際は日本に住民票を残したまま移住する人も少なくありません。

住民票を抜くのも残すのも本人の自由です。

どちらもメリット・デメリットありますが、かく言う私は深く考えることなく住民票を抜いてインドネシアに移住しました。

住民票を抜いてから15年、特に問題はありませんが、

「残しておけばよかったかな…」

と思うときもあります。

それはどんな時なのでしょうか?

今回は、

海外移住するとき住民票を抜くメリット・デメリット、インドネシア海外就職するとき海外転出届手続きを出すべきか検証していきます。

Contents

海外移住(就職)で住民票は抜くべき、残すべき?

そもそも住民票とは何なのでしょうか?

住民票とは、

「住民の居住関係を公に証明するもの」

で、記載住所に住んでいることを証明する役所の登録です。

住民票を残しておけば書類上は日本に住んでいることになり、海外に住んでいても日本と同じ権利・義務が生じます。

逆に住民票を抜けば、日本居住者の権利を失い義務も負担もありません。

では、住民票を抜く方がいいのでしょうか、残しておくべきなのでしょうか。


この問題に正解はありません!

どちらもメリット・デメリットあり、海外に在住する期間やそれぞれの価値観、ライフスタイルによって答えは変わってきます。

では、住民票を抜くメリットとデメリットを具体的に見ていきましょう。

住民票を抜くメリット・デメリット

一時帰国したときに国民健康保険を使って病院に行きたいので、住民票を残す人も多いです。

国民健康保険

住民票を残して海外で暮らせば国民健康保険に加入し続けることになるので、一時帰国した時少ない自己負担で医者にかかることができます。

わたしの周りでも、一時帰国のとき歯医者に行く人や、中には人工授精などの不妊治療を受けている人もいました(保険適用は一部)。

インドネシアの病院も海外保険やローカル保険に加入していれば通院は無料ですが、いまいち医療の質的に正直心配です。

風邪とかで薬をもらうくらいならいいですが、親知らずを抜いたり、手術が必要な時は一時帰国のときに日本の病院に行ったほうがいいです。

海外で暮らしてはじめて、世界でもっとも安く質の高い医療を受けられるのは日本の病院だと実感できます。

一方で、毎月、国民健康保険の保険料を払い続けなければならないのがデメリットとも言えますが、国民健康保険は住民税と連動していて前年度の日本での収入が無ければたいした額ではありません。

国民年金

国民年金は住民票を抜くと支払いは義務から任意に変わります。

払ってもいいし、払わなくてもいいということです。

「払っても将来的にほとんどもらえなくなる」

と言われがちな国民年金ですが、事故などで後遺症を負った時の障害年金も含まれていることに注意してください。

受給資格を得るための最低支払い期間は10年なので、これまで何年納付してきたかを確認してから判断すべきでしょうね。

もし、すでに10年以上支払い期間があれば、支払い保留してもいいかもしれません。

2019年10月現在の国民年金の保険料は、1ヶ月あたり1万6410円です。

マイナンバー

マイナンバーは日本居住者に交付される住民登録番号です。

外国人でも日本に住んでいて住民票があればマイナンバーを取得できますが、住民票を抜いている日本人はマイナンバーを取得することはできません。

海外で生活すればマイナンバーは必要ないと思うかもしれませんが、銀行口座や証券口座の開設に必要なので移住前に作っておくことをおすすめします。

それと、海外送金にもマイナンバーが必要です。

たとえば三井住友銀行は2022年1月以降、海外への送金・海外からの送金ともにマイナンバーの届出が必要になります。

現在、日本政府は海外で暮らす日本人もマイナンバーが取得できるよう検討しているので、将来的には住民票と無関係で取得できるようになるかもしれません。

iDeCo、NISA

iDeCoとは個人型確定拠出年金で、NISAは少額投資非課税制度です。

細かい説明は省略しますが、どちらも日本政府による国民の自力での資産形成を後押しする施策です。

どちらも海外在住者は対象外で、住民票を抜くとこれらの制度は使えません。

iDeCoやNISAといった資産形成といった制度を使えるのは、住民票を抜かないメリットとも言えるでしょう。

とはいえ、

インドネシアをはじめ海外は預金利率も高いし、株式や不動産など日本では考えられないリターンを得られる投資対象はたくさんあるのでそれらを検討するほうがいいかもしれませんね。

在外選挙

海外居住の日本人が国政選挙に投票するには、在外選挙人名簿に登録しなければなりません。

在外選挙の登録は日本大使館・領事館で可能ですが、海外転出届をだしていなければできません。

なので住民票を残している場合は、在外選挙をすることはできません。

投票権は金銭的なメリットはないものの、海外居住であればこそ今後日本がどうなって行くかは重大な問題なので、自分の意見を投票という行動で示せないのは大きなデメリットなので、在外投票したい人は住民票を抜いておきましょう。

住民税

住民税は前年の収入に基づいて計算されます。

住民票を抜いても抜かなくても、移住1年目は支払うことになります。

2年目以降は、住民票を抜いた人は支払い義務がありませんし、住民票を抜いていない人も日本国内での収入がなければ課税されません。

つまり住民税の納付額は、住民票を抜いても残してもあまり違いません。

住民税は1月1日の時点で住民票がある人に課されるというルールは覚えておいてください。

たとえば2020年の住民税は、2020年1月1日に住民票がある人に対して、2019年の収入に基づいて課されます。

2019年12月末の時点で海外転出届を出して住民票を抜いてしまえば1年分の住民税は課せられないというわけです。

海外転出届の手続き

海外転出届は出国の14日前から市区町村役場で出すことができます。

必要なものは

本人確認書類(運転免許証やパスポート)だけ

です。

マイナンバーカードを持っている人はマイナンバーカード、ない人は通知カードを役所に返納してください。

住民基本台帳カードを持っている人も返納します。

国民年金や国民健康保険の手続きなどで必要な場合もあるので印鑑も持っていきましょう。

海外転出届自体は、役所にある転出届に記入して本人確認書類の写しを出せば手続きは終了し、同時に住民票も抜かれます。

私が海外転出届を出した15年前を振り返ると、日本の役所は記入の仕方も丁寧に教えてくれて、手続きもすぐに終わったのを覚えています。

その時はなんとも思いませんでしたが、インドネシアの役所みたいに難癖つけられたり賄賂を要求されることもないというのは素晴らしいことだと思いますよ。

まとめ

いかがでしたか。

今回は、

海外移住するとき住民票を抜くメリット・デメリット、インドネシア海外就職するとき海外転出届手続きを出すべきかを中心に見てきました。

住民票を抜くのも残すのもそれぞれメリットとデメリットがあることが分かってもらえたと思います。

一概にどちらがいいとは言えませんが、

  • 海外生活が一時的で、数年後には日本に本帰国する予定の人は住民票を残す方がいい
  • 海外での生活が長期の予定・日本に戻るつもりがない人は住民票を抜く方がいい

と言えるでしょう。

私自身、住民票を抜いて、いま感じている不都合は

  • iDeCo、NISAが少しうらやましい
  • 日本の銀行口座への送金にマイナンバーが必要になったらどうしよう

くらいです。

個人的にはある程度まとまった期間、海外に居住するなら住民票を抜いてしまう方をおすすめします。

Sampai jumpa lagi(ではまた)