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バンコク国立博物館ってどんな場所?
バンコク国立博物館(Bangkok National Museum)は、タイで最大規模を誇る国立の博物館です。
場所は、王宮(グランドパレス)やワット・プラケオのすぐ近く。
観光のついでに立ち寄れる便利なロケーションにあります。
私は「ちょっとだけ覗いてみようかな」くらいの軽い気持ちで行ったのですが、気がつけば数時間も館内をウロウロ…。
それくらい、見ごたえのある展示がいっぱいでした。
展示されているのは、タイ各地から集められた仏像、陶器、衣装、武具、彫刻、楽器など、多岐にわたる文化財の数々。
それぞれの展示に英語とタイ語の説明が付いていて、歴史に詳しくなくても楽しめるように工夫されています。
しかも、ただ展示してあるだけじゃなく、空間全体の雰囲気作りが丁寧なんです。
例えば、仏像の展示エリアでは、照明や展示の配置によって神聖な空気が感じられ、「これは大切にされてきたんだな…」と自然に思えてくるんですよね。
特に印象に残った展示
個人的に一番印象に残ったのは、仏像の展示でした。
タイは仏教国なので、仏像の種類も本当に多種多様。
でも、ただたくさん並んでいるだけじゃないんです。
それぞれの仏像の顔立ちや衣装、ポーズが微妙に違っていて、「これは北部タイのスタイル」「これはアユタヤ時代の特徴」など、地域や時代ごとの文化が見えてくるのが面白かったです。
私は芸術や造形に興味がある方なので、「この衣のひだの彫り方、すごく繊細…!」と見入ってしまいました。
さらに、王室に関係する展示室では、実際に使われていた調度品や衣装も展示されていて、「こんな世界があったんだ」とタイ王室の歴史に触れられました。
歴史に詳しくない私でも、「へぇ〜!」「これは写真に撮りたい!」とつい感動する場面が何度もあったので、予備知識がなくても全然楽しめますよ。
開館情報とアクセス方法(2025年5月時点)
まずは訪れる前にチェックしておきたい基本情報をまとめておきますね。
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名称:バンコク国立博物館(Bangkok National Museum)
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タイ語名:พิพิธภัณฑสถานแห่งชาติ พระนคร
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住所:Na Phra That Road, Phra Borom Maha Ratchawang, Phra Nakhon, Bangkok 10200
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開館時間:水〜日 9:00〜16:00(最終入館 15:30)
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休館日:月曜・火曜・タイの祝日
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入場料:外国人200バーツ(約800円)、タイ人30バーツ(約120円)
※特別展示や祝日によって開館スケジュールが変わる場合があります。
行く前にGoogleマップや公式サイトで最新情報を確認するのがおすすめです。
実際に私が使ったアクセス方法:「BTS+ボート」が最高だった!
バンコク市内はとにかく渋滞が多いので、時間帯によってはタクシーが全然進まないことも…。
だから私は、地元の友人に勧められて「BTS(スカイトレイン)+ボート」で向かってみました。
これがもう、移動そのものが観光みたいで大正解でした!
ステップ①:BTSで「サパーンタクシン駅」へ
まずは、BTSシーロム線に乗って「サパーンタクシン駅(Saphan Taksin)」へ。
私の宿泊していたホテルがサイアム駅近くだったので、乗車時間は10分ほど。
BTSの車内は清潔で冷房もバッチリ効いていて、とっても快適です。
券売機も英語対応で、使い方も簡単でした。
料金は距離により異なりますが、大体16〜44バーツ(約65〜180円)です。
ステップ②:サトーン船着場からボートに乗る
駅を出たらすぐそばに「サトーン船着場(Sathorn Pier)」があります。
ここから「チャオプラヤー・エクスプレスボート」に乗ります。
私が利用したのは、オレンジ色の旗の付いたボート。
観光客にもわかりやすい英語のアナウンスがあり、安心して乗れました。
運賃は15バーツ(約60円)という安さ!
ボートの上では、風を感じながらワット・アルンや王宮をチラッと眺められて、気分はちょっとしたリバークルーズ。
本当に気持ちよかったです。
ステップ③:ターチャン船着場で下船し、徒歩で博物館へ
降りるのは「ターチャン船着場(Tha Chang Pier)」。
そこから博物館までは徒歩で約10分ほど。
途中にはお土産屋さんや、マンゴーやパパイヤを売るフルーツ屋台、ひんやり甘いココナッツアイスのお店もあって、寄り道したくなるスポットがたくさん。
私も思わずココナッツアイスを食べてしまいましたが、暑さで火照った体にしみわたる美味しさでした…!
所要時間と費用まとめ
この「BTS+ボート+徒歩」のルートは、時間にして約40〜50分。
費用は全部で31〜59バーツ(約130〜240円)程度。
安いし、渋滞にも巻き込まれず、何よりボートからの景色が最高だったので、私は断然このルートをおすすめします!
他のアクセス方法もご紹介
もちろん、荷物が多い時やお子さん連れの場合はタクシーや配車アプリ「Grab」も便利です。
私も別の日にGrabを使ってみましたが、車内は快適でしたし、目的地までスムーズに連れて行ってくれました。
ただ、注意点はやっぱり渋滞。
朝夕のラッシュや雨の日は時間が倍以上かかることもあるので、余裕を持って出発することが大切です。
また、運転手さんが英語を話せないこともあるので、目的地の地図や名称をスマホに表示しておくと安心ですよ。
近くの観光スポットも一緒に楽しもう!
バンコク国立博物館の魅力は、それ単体だけじゃありません。
すぐ近くには王宮(グランドパレス)、ワット・プラケオ、ワット・ポーといった有名観光地がズラリ。
私は博物館をじっくり見た後、そのままワット・プラケオに立ち寄りました。
1日で「文化・歴史・仏教美術」をたっぷり楽しめて、大満足の一日になりました。
もし時間に余裕があるなら、ぜひセットで回ってみてください!
バンコク博物館の建物構成
王族の暮らしを感じた「中央宮殿(Siwamokkhaphiman Hall)」
最初に私が足を踏み入れたのが、「中央宮殿(シワモッカピマーン・ホール)」という建物。
この建物は18世紀末に建てられ、もともとはラマ1世の王子が実際に住んでいた場所だそうです。
つまり、王族のリアルな暮らしが息づいている、まさに“生きた歴史”なんですよね。
門をくぐって中に入った瞬間、まず目に飛び込んできたのが豪華な屋根の装飾。
赤と金色の色使いがとても華やかで、晴れた青空とのコントラストに、思わず足を止めてしまいました。
「美しい…」と声が漏れてしまうほど。
何枚も写真を撮ってしまいました。
館内では、王室が実際に使っていた衣装や宝石、楽器がずらりと展示されていて、そのどれもが非常に細かく作り込まれていました。
特に私の目を引いたのは「王冠」と「玉座」。
王冠には小さな宝石がびっしりと埋め込まれていて、光が当たるたびにキラキラと輝きます。
玉座もまた圧倒的な存在感で、「これ、全部手作業で作ったの!?」と驚かされました。
ただの展示物ではなく、職人たちの技と、王族への敬意が詰まった芸術作品だと感じました。
王家の別れの儀式に触れる「葬儀用展示室」
次に訪れたのは「王家の葬儀展示室」。
正直言うと、最初は「お葬式の展示って…ちょっと怖いかも」と思ったんです。
でも中に入ってみると、その荘厳な雰囲気に圧倒されました。
中でも一際目立っていたのが、**プラ・ラチャ・カーン(Phra Ratcha Khan)**という王室専用の葬送車。
なんと全長10メートル以上。
全面が金箔で覆われ、繊細な彫刻が施されていて、まるで巨大な仏像のようでした。
この葬送車は実際に王族の葬儀に使われているもので、特に2017年に行われたラマ9世(プミポン国王)の火葬式にも使われたそうです。
そのときには数百万人がバンコクに集まり、国を挙げての葬送だったと聞きました。
その話を思い出しながらこの車を眺めると、展示されているもの以上の意味を感じてしまいます。
「これは、国民の想いが詰まった記録なんだ」と、胸がじんわり熱くなりました。
王族の私生活を覗ける「赤い館(The Red House)」
博物館の敷地内を歩いていると、ひときわ目を引く赤い木造建築が目の前に現れました。
それが「赤い館(The Red House)」です。
名前の通り、鮮やかな赤色が印象的なこの建物は、ラマ1世の妹が実際に暮らしていた家なんです。
しかも全体が木造で、昔ながらの高床式住居のスタイルが採用されています。
高床式というのは、湿気や洪水から家を守るための知恵なんですね。
タイのような雨季のある地域ならではの工夫だなと感心しました。
中に入ると、ベッド、家具、食器、化粧道具などが当時のままに展示されています。
私が特に面白いと思ったのが、キッチンまわりの道具。
炊飯器のようなものや、急須のような形の道具が並んでいて、「これ、日本でも見たことあるぞ?」とちょっと親近感を抱きました。
昔の生活って、国は違えど似ている部分があるのかもしれませんね。
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心を整える「ブッダイサワン礼拝堂(Phutthaisawan Chapel)」
そして、今回の博物館巡りの中で、私が一番感動した場所がここ。
**ブッダイサワン礼拝堂(Phutthaisawan Chapel)**です。
この礼拝堂はラマ1世が建てたもので、タイ仏教美術の傑作といわれています。
中に入ると、中央には穏やかな表情の仏像「プラ・プッタ・シヒン」が静かに鎮座していました。
そのお顔を見た瞬間、なぜだか涙が出そうになってしまって…。
私、特別に信仰心が強いわけではないのですが、この空間には心を静かにしてくれるような力がありました。
壁一面には、仏陀の生涯や教えを描いた壁画が広がっていて、左から右に順番に見ていくと、まるで一つの物語を読んでいるよう。
私はその仏像の前にしばらく座り、ただ静かに目を閉じていました。
この礼拝堂は、観光スポットというより、「心のデトックス」ができる場所なのかもしれません。
近代タイの歴史を体験できる「新歴史館」
最後に訪れたのが、「新歴史館」という展示エリアです。
ここはバンコク国立博物館の中でも比較的新しく、近代的な展示手法が取り入れられているのが特徴。
一歩足を踏み入れると、照明や映像、ジオラマなどが目を引き、「見る」というより「体験する」展示になっていました。
子どもから大人まで楽しめるような工夫がたくさんされていて、歴史が苦手な人でも飽きずに見られると思います。
アユタヤ王朝のダイナミックな歴史
「アユタヤ王朝」の展示コーナーでは、14世紀から18世紀にかけて栄えた王朝の様子が、さまざまな資料で紹介されていました。
戦争を再現したジオラマや、当時の武器・鎧などの展示に圧倒され、私はまるで戦国時代にタイムスリップしたような気分に。
交易で使われていた船の模型や、ヨーロッパとの交流を示す文書なども展示されていて、アユタヤがいかに国際的な都市だったかがよく分かりました。
ラマ5世の近代化改革
続く「ラッタナーコーシン時代」の展示では、特にラマ5世(チュラーロンコーン大王)の業績に感動しました。
19世紀末、彼はタイに西洋の制度や技術を積極的に導入しました。
鉄道、公務員制度、西洋式の教育制度など、今のタイの土台を作った人物なんです。
展示には当時の鉄道の模型や、実際の教科書のレプリカもあり、私も思わず見入ってしまいました。
北タイの伝統にふれる「北側の展示室」
新歴史館の中にある「北側の展示室」は、タイ北部にあるチェンマイやランパーンなど、いわゆる“ランナー文化圏”の展示が充実しています。
私は以前チェンマイを旅行したことがあるのですが、そのときに見たお寺の装飾や街の雰囲気を、この展示室の中でふと思い出しました。
懐かしさとともに、またチェンマイに行きたくなってしまいました。
美しすぎるランナー王朝の芸術
特に目を引いたのは、ランナー王朝時代の仏像や木彫りの祭壇、陶器などの工芸品です。
金箔が丁寧に貼られた仏像や、色とりどりの木彫りの装飾は本当に見事で、思わず立ち止まって見入ってしまいました。
一つ一つの彫刻や模様がとても細かくて、「どうやって作ったんだろう?」と考えてしまうほどの職人技が詰まっています。
ランナー様式の仏像は、他の地域と違って少し柔らかい表情をしているのが特徴だそうです。
確かに、見ていると心が落ち着いてくる感じがしました。
鮮やかな民族衣装や生活道具も展示
展示室の中には、伝統的な織物や民族衣装も並んでいます。
赤や金色の糸で織られた布は、うっとりするほど美しいものでした。
「これ、展示用じゃなくて実際に着ていたの?」と思うくらいの繊細さで、実際にお祭りや儀式などで使われていたそうです。
また、農具や日用品など、昔の人たちの暮らしを想像できるような道具もたくさん展示されていました。
こういうリアルな生活の部分が見られると、その地域の人々にもっと親近感が湧きます。
多文化が交差する「南側の展示室」
個人的に一番心に残ったのが、この「南側の展示室」です。
タイ南部はマレー半島に近いため、マレー文化やイスラム文化の影響が色濃く残っている地域です。
そのため、北部や中部とはまた違った雰囲気の展示を見ることができました。
目を奪われる幾何学模様のアート
展示室に入ってすぐ目に飛び込んできたのは、幾何学模様が施された陶器や装飾品の数々です。
イスラム文化の特徴でもあるこの模様は、どれも規則的で美しく、アートとしてもとても洗練されています。
私はそれまで「タイ=仏教」というイメージが強かったのですが、この展示を見て「南部はまた全然違う文化があるんだな」と衝撃を受けました。
異文化が同じ国の中で共存している様子に、思わず感動してしまいました。
海とともに生きた人々の知恵
タイ南部は海に囲まれた地域でもあるため、漁業や交易に関する展示も充実しています。
昔の漁具や船の模型、海沿いの町の風景を再現したコーナーなどがあり、「こうして自然と共に暮らしていたんだなぁ」としみじみ感じました。
さらに、交易に使われていた航路の地図や港町の資料もあって、タイがいかに海を通じて外国とつながっていたのかがよくわかりました。
館内の休憩スポットとカフェでひと息
広い館内を歩いていると、どうしても疲れてきますよね。
そんなときにありがたいのが、中庭にある休憩スペースです。
ベンチが点在していて、緑も多くてとても気持ちいい空間でした。
私はここで少し座って、スマホで撮った写真を見返したり、メモ帳に印象に残った展示を書き留めたりして過ごしました。
風が吹くと気持ちよくて、しばし現実を忘れるほどリラックスできました。
そして、休憩後は館内のカフェで軽くおやつタイム。
私はフレッシュジュースとバナナケーキを注文したのですが、これが意外と美味しくてびっくり。
ふわふわのケーキは暑さで疲れた身体にちょうどよかったです。
お土産ショップは宝探し気分
カフェの隣にはお土産ショップもあります。
ここには、タイの伝統工芸品や博物館オリジナルのグッズがたくさん並んでいて、見ているだけでも楽しい空間でした。
私はつい、象の刺繍が入ったポーチを友人用に購入。
他にも、手作り感のあるノートやバッグ、織物を使ったアクセサリーなど、センスのいい雑貨が揃っていました。
価格もそこまで高くなく、ちょっとしたギフトにぴったりです。
博物館を楽しむための服装と持ち物
通気性の良いトップスが正解
私は薄手のコットンTシャツを着て行ったのですが、これが大正解でした。
風が通る素材だったので、汗をかいてもすぐ乾いて快適でした。
日差しが強い日には、UVカット素材のシャツもおすすめです。
汗ジミが目立たない色を選ぶと見た目も気にならず、安心して写真も撮れます。
動きやすい長ズボンがおすすめ
私が履いて行ったのは、リネン素材のロングパンツ。
タイでは蚊が多い時期もあるので、足を出さないほうが無難です。
ロングスカートでもOKですが、風でめくれやすいデザインは避けたほうが安心です。
足元はスニーカーかスポーツサンダルで
館内は意外と歩く距離が長く、床がデコボコしているところもあるので、スニーカーで行って正解でした。
スポーツサンダルもいいですが、歩き疲れしやすい人はクッション性のあるものを選ぶと良いと思います。
帽子とサングラスは必須アイテム
私が一番助かったのは、折りたたみの帽子とサングラス。
日差しが強く、目が開けづらいほどの眩しさだったので、日よけアイテムは必須です。
特に、つばが広めの帽子なら首元までカバーできて、体感温度も下がります。
冷房対策に羽織ものを
館内は意外と冷房が効いていて、汗をかいた体には寒く感じます。
私はカーディガンを持って行かなかったせいで、ちょっと体調を崩しそうになりました。
小さくたためる羽織りをバッグに忍ばせておくと安心です。
水分補給は絶対に忘れずに!
これは声を大にして伝えたいポイントです。
「館内に売店があるから大丈夫」と思って水を持たずに入ったら、売店が見つからず本当に困りました。
自動販売機もほとんど見かけず、運悪く閉まっていることもあるようです。
私は炎天下で喉がカラカラになり、「このまま倒れるんじゃ…」と本気で心配しました。
博物館の入口近くにはセブンイレブンなどのコンビニがあるので、入場前に飲み物を買っておくのが絶対におすすめです。
次回は、以下のようなアイテムを持って行こうと決めています。
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冷たい水のペットボトル(500ml)
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凍らせたスポーツドリンク
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塩分補給できるタブレットやキャンディ
※入口では荷物検査があります。
あまりに大きなクーラーボックスや、大量の食べ物は持ち込みNGになることもあるので、「自分用」の範囲にとどめましょう。
まとめ
バンコク国立博物館は、ただの「歴史を学ぶ場所」ではありませんでした。
王族の暮らしを体感し、心を癒す仏教美術に触れ、近代国家としての歩みを追体験する。
一つひとつがまるで“生きた教材”のようで、私の心にも深く残る時間となりました。
もしバンコクを訪れることがあれば、ぜひ足を運んでみてください。
観光地としてだけでなく、自分自身の心と向き合う時間になるかもしれません。
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